『ゲルハルト・リヒター』 :豊田市美術館
現代アートの最高峰と言われているアーティスト、ゲルハルト・リ
3年前に開催されたメトロポリタン美術館での大回顧展は、コロナ
今回の展覧会はその規模ではないけれど、それでも見応えは充分だ
リヒターは、具象・抽象・ガラス・鏡を用いた作品など、あらゆる表現方法で制作を続け「人がものを見て認識する原理」を追求し続けてきた作家。技法etc.が変化しても、一貫したその理念を感じさせる作品群を目の当たりにする事が出来た。
今回の目玉作品の「ビルケナウ」、ユダヤ人強制収容所で密かに撮影された写真をベースに描かれた抽象画、それと合わせて同寸のプリント作品、グレーの鏡が展示されており、合わせ鏡のようで、真ん中に立って眺めるとどちらが真実でそうでないか、もはやそんな事は意味のあることなのかよくわからなくなってくる。作者の筆跡が残るものと、それを写した写真とどちらが真実のイメージを表すのか、リヒターの作品においては写真であっても作品としてなし得ると言えるのではないかと思う。そして一対のような作品とそれらを観ている自分を写す鏡を覗くとそれもまた1つの作品のように感じる。
この大作を美術館の設計者である谷口吉生さんの作品の中で観られるのは本当に幸せ。
今回の目玉作品の「ビルケナウ」、ユダヤ人強制収容所で密かに撮
この大作を美術館の設計者である谷口吉生さんの作品の中で観
豊田市美術館では東京会場ではなかった近年の作品展示もあり、リヒターは2020年今後は作品ナンバーを付ける作品は制作しないとのことだが、ドローイング作品等まだなお90歳となった今も制作を続けていることに感服する。
作家は死ぬまで戦い続けるのだと、あるいは描く事はリヒターに取って、もはや日常の一部なのか、そんな事を体感させられる展覧会だった。
作家は死ぬまで戦い続けるのだと、あるいは描く事はリヒターに取
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