無花果+白マットの大皿

無花果

もうシーズンも終わりですが、無花果が大好きです。よく熟したものをかぷり、トロリとした果実が口いっぱいに広がるのは至福のひと時です。小さい時から大好きなのですが、あれは中学生の時です。美術の時間に校外へスケッチに行くことになりました。何人かの組に分かれて描く場所を決め、先生が授業時間中、自転車で様子見ながら巡回するというものでした。私の通っていた中学は、校舎のすぐ近くには田園風景が広がる、いわゆる田舎の中学校だったのです。見慣れた風景とはいえ、授業中に外に出られる上に先生もいないという解放感も手伝って、校外授業というより、ちょっとしたピクニックのような楽しい気分でした。長い前置きになりましたが、、私の選んだスケッチ場所のすぐ後ろに無花果の木があったのです。もちろん、自然に生えているものではなくて、よそのお宅の無花果の木てす。たわわに実った無花果にどうしても心惹かれてしまい、一つくらいかまわないだろうと悪戯心をおこし(もちろんよくない事であるのは承知しています)、取ろうとした瞬間、そのおうちの人が出てこられたのです。見咎めて出て来られたというわけではなく、本当にたまたまだったのですが、悪いことはできないものですね(笑)すぐさま「ごめんなさい」と謝ると、怒られると思ったそのおじさんは「なんだ、言ってくれればいいのに」と、袋にたくさんの無花果を入れて手渡してくれました。今度は大きな声で「ありがとうございます!」とお礼をいい、またスケッチを続けました。巡回してきた先生にその事を話したかどうかは忘れてしまいました。遠い昔のお話です。無花果の季節になると思い出す懐かしい思い出です。

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